筆文字artとの出会い

私が書道を始めたのは小学校4年生。

近くの駄菓子屋さんの2Fで開いている書道教室でした。きっかけは幼馴染が通っているということと、駄菓子がもらえるっていう小学生の考えるようなことだったんです。少しずつ集中することを学びました。

高校3年の時、芸術授業を選択する際に書道を選んだところなんと書道は私1人しかいませんでした。本当であれば他の教科に変えなければいけないところを担任の先生が書道の先生に頼み込んでくれたんです。「この子は書道を続けるべきだ」

大学のオープンキャンパスで

書道を専門として学べる大学があると聞いて

両親と広島まで行きました。周りは書道を幼稚園から

やってきた上手な子達ばかり。正直びくびくしていました。かたや私は幼い頃から続けていたスポーツを中心の生活をしてきていたため、書道は気分転換に楽しく習っていたレベル。

その場で文字を書くことが「恥ずかしい」と固まってしまいました。全紙という障子1枚分くらいの大きな紙に好きな文字を書いていいよという大学の先生からの言葉に戸惑っていました。

そこで後に担任の先生となる方に言っていただいたことが今でも心に残っていて「書道に決まりなんてないんやから。好きに書いてみ。」とおっしゃっていただきました。

そこで書いた私の作品は「冬の花火」でした。ありえない世界に挑戦する私にぴったりの言葉でした。今思うと学生時代の発想力って素敵だなと、すげーな自分!という感じです(笑)

嬉しいことに母はいまだにその作品が好きだと言ってくれています。そこから何やかんやあり、私は無事に合格しその大学に入学。

4年間その大学に在学して書道にどっぷりつかる生活を経験しました。正直に言うと、書道史とか漢文とかそういうものは得意ではありません(笑)しかし4年間の中で1学年20数名という大切な仲間と学んできた書道の楽しさ、書道と筆と墨と紙とどう向き合うのか。夜に残って音楽を聴きながら向き合う書道が大好きで足の裏も墨まみれ。楽しくて仕方がありませんでした。

そんな書道中心の生活において特に好きだった時間があります。それは「筆文字で好きな言葉・歌詞を友達に書いてもらう」ことでした。その時は自分で書くことよりも友達に好きな歌の歌詞を書いてもらうことでした。友達が書く文字の形・丸み・バランスはその歌詞にとてもマッチしていて。それを手帳に挟んで持ち歩き、落ち込んだ時にはそれを見直して元気をもらっていました。

それから社会人として一般企業に就職しましたが筆文字は細々と続けていました。友達に頼まれてウェルカムボードを作ったり、送別の品で作成したり。

周りの人から「これで商売したらいいのに」とお声をいただいていましたが自信がありませんでした。


これでお金をもらうなんてという気持ちが

勝ってしまっていました。

大学を卒業して勤めていた会社を退職後、ご縁があって知り合った方にイベントスペースの紹介をしていただき、筆文字artとして活動できる場を設けることができました。

そこで、書いていたお客様の中で言われた言葉

「私の気持ちそのままです。文字にするとこんなにすっきりするんですね。ありがとうございます!」

中には泣いてくださるお客様もいてくださって。

私の字で何かを感じ、何かを考え、背中を押せている。

笑顔や涙、その人の一部になれている。

この嬉しさは普通では絶対に味わえないものでした。

2016年9月より

筆文字art創作活動を本格的に始動。

今はイベントを通じて様々な方と出会い

一人ひとりの方を知ることが

楽しくてたまりません。もちろんイベントを通して、反省もたくさんあります。

しかしそれ以上に今度はこれやってみよう!というアイディアが生まれ、次に向けての楽しみでわくわくしてくるんです。

たくさんの人の笑顔や涙、感情の一部に私の筆文字が関われたら。これほど嬉しいことはありません。

あなたにはどんな唄が生まれるでしょう☆